2011年、我々日本人の死亡原因のトップ3が入れ替わり、医療界に激震が走りました。
今まで1位のがん、2位の心臓病、3位の脳卒中だったのが、3位に肺炎がランクインしました。
それから7年たった現在も肺炎による死亡者数は、年々増えています。
その勢いは衰えず、団塊世代が75歳以上になる2025年には、死因に2位に浮上する可能性があるかもしれません。
誤嚥性肺炎の原因の一つとして、喉の衰えからくるようですので、特に高齢者は喉を鍛えるといいということですよ。
では誤嚥性肺炎と関連性のある、”のど”の仕組みや構造などを調べましたので、ご紹介したいと思います。
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目次
誤嚥性肺炎は年齢に関係なく要対策の病気!
誤嚥性肺炎の3大原因は、食物、唾液、逆流性食道炎の3つの原因があります。
飲食物だけでなく、私たち口内にある唾液の飲み込みも原因の一つです。
3つ目が逆流性食道炎で、胃の内容物が逆流して食道に流れ、炎症を起こすのです。
ではその仕組みと構造を図にしてみました。
誤嚥性肺炎と喉の構造と仕組みとの関連性は?
まず誤嚥とは、飲食物や唾液などが誤って器官に入ることを言います。
器官に飲食物や唾液が入ると、それに含まれる細菌やウイルスが肺に入り込みそのことが誤嚥性肺炎になるのです。
ではなぜ誤嚥しやすくなるのでしょうか。
それは加齢とともに「飲み込む力」が衰え、食道を通る飲食物や唾液などが、呼吸で空気を出し入れするための器官に、誤って入り込みやすくなるためなんです。
”肺炎”は、喫煙や空気汚染が原因だと思われがちですが、実はこの誤嚥が、肺炎になる最も原因の正体なんです。
喉の筋力と、誤嚥性肺炎が、いったいどのような関係なのか下記のイラストで説明いたします。
私たちは、食べ物を飲み込むという行動は、反射運動として無意識のうちに行っています。
イラストでもわかるように喉は、食道と器官の入り口が、平行に並んで分かれています。
普段は器官で呼吸をしながら、飲食物をとったときや何かを飲み込もうとしたときだけに、喉頭蓋という”ふた”がパタンと器官を閉じる役目を果たしてくれるのです。
その間わずか0,8秒なのです。
このようにして一瞬のうちに、喉で空気と飲食物の交通整理が行われているのです。
飲食物を正しく飲みこむためには?
食べ物を正しく飲み込むには、喉の器官同士がタイミングよく作用しなければなりません。
しかし加齢とともに、のどの筋肉が衰えたり、喉を動かす神経の働きが鈍ったりすると、喉の筋肉がうまく機能しなくなるのです。
こうなると、飲食物や唾液などが、誤って器官に入るようになります。
このことが「誤嚥」を引き起こしやすくなるのです。
それでも、のどの筋力が健在ならば、セキをしたりむせたりして、誤って器官に入った飲食物を取り出すことができます。
しかし、筋力が衰えてくるとそれも充分にできず、誤嚥した食物がそのまま器官に残り、肺に入ってしまうのです。
また、脳梗塞などの後遺症によって、口やのどの付近にマヒが残っている場合、神経の働きが弱くなっていることが多いので、「誤嚥」するリスクが高まってきます。
こうなると免疫力が低下し、高齢者や病人は、誤嚥性肺炎にかかりやすくなります。
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からだの質問箱
声帯に衰え、声でなくなる?
声が出にくくなり、耳鼻咽喉科で声帯が痩せてきているといわれました。
老化のためで、治療法はないそうです。
カラオケが趣味ですが、声は出した方がいいでしょうか。
あまり出さない方がいいでしょうか。
声が出なくなるのではと心配です。
(76歳女性)
筋肉鍛えて誤嚥予防にも
声帯の衰えは老化の第一歩です。
気管の上の喉頭に、左右一対の声帯があり、閉じているときに空気が通ると震えて声になります。
左右がぴったり閉じることが大切で、声帯が痩せて閉じにくくなると息がもれ、声を出す効率や振動が悪くなり声がかすれてきます。
声帯が閉じるそもそもの理由は、機関や肺の空気圧を高め、踏ん張ったり痰を出しやすくしたりするためです。
閉じ具合が悪くなり、隙間ができると、声がかすれるほか、息が続かない、力が入りにくい、せき込みやすいなどの症状が出ます。
ひどくなると、飲食物や唾液が食道ではなく気管に入る誤嚥につながるため、声帯の機能を保つことは重要なことです。
スポーツ選手が練習を怠ると、筋肉が衰えるのと同じことです。
声帯も筋肉から出来ています。
声のかすれの原因が、明らかに声帯の老化からくるのなら、どんどん使うことをお勧めします。
誤嚥性肺炎を防ぐ効果はな~に?
そこで、誤嚥性肺炎を防ぐには「喉の筋力」を鍛えることなんです。
喉の筋力は年齢に関係なく、いつからでも鍛えることができます。
私たちの体の筋肉は、何もしなければ年と共に必ず衰えてきます。
腕にしても、太ももにしても、鍛えていなければ何らかの形で、筋肉は落ちていくんですよ。
「喉の筋肉」も同じことが言えます。
喉の筋肉は、顎から宙づりにされたような構造で不安定なため、少しでも筋力が衰えると、引力に負けてどんどん下がっていきます。
特に60歳を過ぎると、のど仏の位置が急激に下がり始めるようです。
その始まりは、40代からといわれ、私たちは気づかないうちにジワジワと低下していっているのです。
目安としてのど仏が、喉の真ん中より下になってきたら、要注意と思ってください。
のど仏は、若いころは喉の真ん中より上にあります。
当然年齢が増していくと、お尻の筋肉が下に垂れていくように、喉の筋肉も垂れ下がっていきます。
そこで喉の筋肉を鍛えることを、お勧めいたします。
喉の筋肉を鍛えるといっても、難しいことではありません。
次の3つのことを実行したらいいのです。
- カラオケで歌を歌う
- 家族やお友達、さまざまな人たちとおしゃべりをする
- よく笑うこと
この3つのことは、どれも大きな声を出すことにより、のどの筋肉にほど良い負荷をかけることができます。
それにより喉に筋力をつけることができるのです。
さぁー、皆さんも家族同士でおしゃべりしたり、笑ったり、歌ったりしてみませんか。
一日のストレスも吹っ飛んでしまいますよ。
ただし、食事しながらのおしゃべりはお勧めしません。
かえって誤嚥のもとですからね。
誤嚥性肺炎予防に歌って楽しいカラオケ・おしゃべりは効果抜群だよ!まとめ
肺炎は日本人死亡原因3位という恐ろしい病気ですが、意外と自分の努力で予防ができるんですよね。
しかも喉を鍛えるだけで、誤嚥性肺炎が防げるわけですから、鍛えることに越したことはないですね。
皆さん結構、カラオケに行きませんか。
そしてその場所でおしゃべりしませんか。
これって歌って楽しんで、みんなとわいわいおしゃべりするって、喉を鍛えているんですよね。
一石二鳥ではありませんか。
肺も鍛えてくれるし、喉も鍛えてくれるし、誤嚥性肺炎の予防に最適だなんてびっくりだわ!
おしゃべりも考えることなく、ワイワイ楽しんで飲んで遊んで、いいことばかり!
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