5連覇をめざしていた青学が予想外の結果を出してしまった。
今年の選手は強者が揃っていると、原監督は自信をもって言っていた。
しかし、結果は意外にも予測のつかないドラマが待ち受けていたのです。
「いやぁ、何が起こるかわからんな」ま坂⁇が起きた。
(読売新聞参照】
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目次
青学・10区間10人選手に待ち受けたそれぞれのドラマ
1区間から10区間の各選手にどんな状況でも諦めない不屈の精神
往路1区から5区・復路6区から10区のイラストMAP
1区間21,3キロメートル:橋詰 大慧 1.02.41 3位
《コースの特徴》
大手町の読売新聞社前をスタートし、高層ビル街を通り抜け、高低差のない平坦な走りやすい区間。
7,6キロあたりから14メートルほどのぼりがあるため、駆け引きが始まる。
1区間の橋詰選手は、3位で次の梶谷選手にタスキを引き継ぐ。
2区間23,1キロメートル:梶谷 瑠哉1.08.30 8位
《コースの特徴と選手とのドラマ》
2区間は”花の2区”と呼ばれ、各校のエースが選ばれる。
13キロ付近から高低差が20メートルほどの権太坂が控え、ラスト3キロは「戸塚の壁」の山場がある。
まさに精神力、体力、勝負勘など、ランナーの能力が試される区間であり、攻略は厳しい状況にある。
この2区間は当初、森田歩希選手だったが、彼はけがのため前日まで補欠登録になっていた。
そこで原監督は、梶谷の練習状況や全日本大学駅伝のアンカーの走りをみて、2区間を彼に任せても充分に対応できると踏んで、梶谷瑠哉選手を起用した。
しかし結果、梶谷は相当のプレッシャーを感じていたのだろうか、8位まで落ちてしまった。
3区間21,4キロメートル:森田 歩希1.01.26 1位
《コースの特徴》
このコースは景観のいい、走りやすいコースとなるも、茅ヶ崎海岸線では強い向かい風となり、選手のいく手を阻むことが多い。
しかし、原監督は12月に左股関節を傷めていたが、復調していた森田を起用し、少し楽な区間を走らせ、区間新を出せると見とおしたのである。
結果森田は、7人抜きの区間新記録を出し、8位から1位と返り咲いた。
4区間20,9キロメートル:岩見 秀哉1.04.32 3位
《コースの特徴》
このコースは“準エース区間”といわれている。
残り2,5キロ終盤は、25メートルの上りになるため、選手をかなり苦しめるコースとなるようだ。
この4区間を任されたのが、初めて箱根デビューを果たす岩見であった。
ここで4区の厳しさを、原監督は読み違えてしまった感がある。
東洋大、東海大はこの4区にエース級の相沢君、館沢君を配置してきた。
当時、東洋大、東海大はこの区間の出場選手を、手の内を見せまいと補欠選手にしていた。
原監督は、当時の岩見のコンディションを、「東洋大、東海大の方が上だから1分、2分ぐらい負けてもいいよ」といった軽い気持ちがあった。
ところが事態は一変してしまった。
徐々に山から冷たい風が、2年生の岩見の体力を奪っていったのである。
つまり「低体温症」に陥り、きつい場面となってきた。
その間、東洋大の相沢君の大快走は、素晴らしいものがあった。
結果、岩見は初出場のプレッシャーと自然との闘いに打ち勝つことができず、3位に落ちる。
5区間20,8キロメートル:竹石 尚人1.14.52 6位
《コースの特徴》
このコースの特長としては、絶対的走力が求められるスーパー区間となっている。
過去神野大地(青学大)は「山の神」として誕生したことでも有名で、標高約35メートルの小田原中継所から、国道1号線の最高地点の標高874メートルまで駆け上る難所がある。
最高地点を過ぎたあたりの、残り5キロの下りと平坦地で大きな差が出ることがあり、竹石選手は1位の東洋大と5分30秒の差を出してしまった。
原監督は、「いやぁ6位は厳しいよ」と、一抹の弱さを出してしまった。
6区から10区・平成の大逆転を狙うぞ!
6区間20,8キロメートル:小野田 勇次57.49 5位
《コースの特徴》
最初4キロほどの上り坂を過ぎると、これよりいっきに下りに入る。
急傾斜になると、100メートルを最速14秒台のハイスピードになるので、飛ばしすぎると次第に平坦になる箱根湯本付近からの残り3キロが苦しくなるので、注意したいものだ。
また平坦部分から移った後、中継点までどうつなぐかがポイントとなる。
6区は小野田選手、気温マイナス0度c5分30秒遅れで、6位からのスタートである。
テンションが下がっていた原監督は、「6位は厳しいよ」とメンタルの弱さを出していた。
それに対し「いやいや僕たち5人で逆転しますから・・・」と。
その言葉を裏づけるかのように、57分49秒という速さで区間賞を獲得する。
7区間21,3キロメートル:林 奎介1.02.18 3位
《コースの特徴》
前半の小田原市街はほぼ平坦になっている。
9キロ過ぎの国府津駅あたりから小さなアップダウンが続く。
この区間を走る時刻は、午前9時半。
次第に気温が上昇する時間帯に当たり、全区間中最も気温の変化が激しい。
林奎介選手は、これらの気象条件を乗り越え、1時間2分18秒と好タイムで3位に浮上する。
8区間21,4キロメートル:飯田 貴之1.04.34 3位
《コースの特徴》
林選手のタスキを受けた飯田貴之選手は、すぐに花水川を渡る。
前半は平坦だが、中盤以降はダラダラとした上がり坂となり、日差しも強まり選手たちの体力を奪う区間でもある。
そういう中で、相模湾に別れを告げ、残り5キロ地点にある遊行寺の急な上り坂の難所が近づいてくる。
このあたりから、次のシード権争いにも注目が集まり、中継所まで2キロの原宿交差点からの最後のアップダウンが勝負を分けることになる。
飯田選手は、力の限りを尽くし、3位を維持した。
9区間23,1キロメートル:吉田 圭太1.08.50 3位
《コースの特徴》
このコースは、花の2区の反対側になる。
この区間はペース配分が難しく、8キロ付近の権太坂が勝負を分ける。
終盤は繰り上げスタートを避けるため、最期の力を振り絞る選手の走りが見られるのもこの区間である。
吉田選手は1時間8分50秒で、沿道の観戦者を後にし、3位を保った。
10区間23,0キロメートル:鈴木 塁人1.10.10 2位
《コースの特徴》
復路2番目の長距離で、プレッシャーから思わぬアクシデントや逆転劇が、起こりやすい区間である。
19キロあたりまでは1区の逆走になるが、あとゴールの大手町に向かう。
優勝争いはもちろん、シード権争いも激化してくる。
この区間は準エース級の選手が投入され、青学では鈴木塁人選手が1時間10分10秒の好タイムで、2位をつかみ取る。
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まとめ
今年ほどハラハラドキドキの箱根駅伝はなかった。
5連覇を目指していた青学大。
原監督は、一番の強敵は東海大と言っていた。
まさにその通りになり、それなりの作戦を練っていたことだろう。
その過程にはいろんな出来事が発生し、作戦もその都度最良のカタチで選手配置されたと思われます。
しかし、その状況の中において、予期せぬ自然との闘いに、体が対応しきれず、低体温症という事態を招いたことは、責められるものではない。
来年はこのような事態が起きるということも想定し、次に向けて頑張ってほしいものです。
今回、東海大・青学大・東洋大の素晴らしい走りを見せてもらい、これからの日本の明るい将来を、見せつけられたような気がしました。
また私自身も、これらを通して、新たなるエネルギーをもらったようで、頑張ろうという気持ちが沸いてきましたね。
原監督、青学の選手の皆さん「あきらめない心」を学ばせていただき、ありがとうございます!!
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