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既製品の出来上がった洋服から型を抜き取る方法は、地道な手作業を苦に思わない方でしたら、初心者の方でもできるでしょう。
ただし、細かい作業を繰り返しありますので、途中で何が何だかわからなくなってくるかもしれません。
しかし、一つ一つ手順を踏んで数値を出していくと、最後には洋服の型紙が完成します。
そのやり方は、伊能忠敬の日本地図を完成させた「導線法」を参考にしています。
今回はあまり切り替えのないデザインを選びましたので、比較的簡単に型紙が取れますので、あなたの洋服で試してみてください。
目次
既製品ボレロ風上着服から型を取る方法
ボレロ風上着の型取り手順
洋服の製図を引くときは、必ず後ろ身頃から引いていきます。
また現物商品から製図を導き出すためには、設計図はY軸とX軸は基本になりますので、それに代わる縦地の目と横地の目は製図を引く上において最も重要なことです。
さらに型を取るときは、後ろ身頃、前身頃袖、衿といったふうに、それぞれのブロックを繋ぎ合わせたものが、1着の洋服と考えるといいでしょう。
では始めていきましょう。
後ろ身頃の縦地の目を取る(黒糸)
1.後ろ身頃の後ろ中心線になる縦地の目を糸で、4㎝間隔の一目落としで印付けしていく。
2.後ろ中心線に対して、衿ぐりラグラン点に向けものさしで測って平行線を、4㎝間隔の一目落としで糸で印付けしていく。
3.2の線を基準に、任意の位置に同様にして平行線を糸で印付けしていく。
後ろ身頃の横地の目を取る(赤糸)
4.袖底に位置する点から後ろ中心に対して直角に、横地の目を糸で印付けしていき、尚、この線をバストライン(基準線)とする。
5.バストラインを基準として背幅線になる位置に、平行に横地の目を糸で印付けしていく。
6.5の線を基準に後ろ中心上端に、平行に横地の目を糸で印付けしていく。
7.裾線から1cm上に4を基準に、平行に横地の目を糸で印付けしていく。
前身頃の縦地の目を取る(黒糸)
8.前身頃の前中心線になる縦地の目を糸で、4㎝間隔の一目落としで印付けしていく。
9.前中心線に対して、衿ぐりラグラン点に向けものさしで測って平行線を、4㎝間隔の一目落としで糸で印付けしていく。
10.9の線を基準に、任意の位置に同様にして平行線を糸で印付けしていく。
前身頃の横地の目を取る(赤糸)
11. 袖底に位置する点から前中心に対して直角に、横地の目を糸で印付けしていき、尚、この線をバストライン(基準線)とする。
12. バストラインを基準として胸巾線になる位置に、平行に横地の目を糸で印付けしていく。
13. 5の線を基準に前中心上端に、平行に横地の目を糸で印付けしていく。
14. 後ろ裾脇線と共通の前裾脇線に向けて、前中心に対して直角に横地の目を糸で印付けしていく。
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ラグラン後ろ袖の縦地の目を取る(黒糸)
16. 後ろ衿ぐりラグラン線の位置とネックポイントの任意の間に、縦地の目を糸で印付けしていく。
17. 16に対して平行に、ラグランの背幅線の座標の位置に、縦地の目を糸で印付けしていく。
ラグラン後ろ袖の横地の目を取る(赤糸)
18. 後ろ袖底の位置から袖中心に向けて横地の目を糸で印付けしていく。
19. ラグランの背幅線の座標の位置から横地の目を糸で印付けしていく。
20. 袖底線から平行に、袖口と袖底の任意の間に横地の目を取る。
ラグラン前袖の縦地の目を取る(黒糸)
21. 前衿ぐりラグラン線の位置とネックポイントの任意の間に、縦地の目を糸で印付けしていく。
22. 21に対して平行に、ラグランの胸幅線の座標の位置に、縦地の目を糸で印付けしていく。
ラグラン前袖の横地の目を取る(赤糸)
23. 前袖底の位置から袖中心に向けて横地の目を糸で印付けしていく。
24. ラグランの胸幅線の座標の位置から横地の目を糸で印付けしていく。
25. 袖底線から平行に、袖口と袖底の任意の間に横地の目を取る。
裏衿の縦地の目を取る(黒糸)
26. 後ろ身頃上端から衿端にかけて裏衿中心線の縦地の目を糸で印付けしていく。
27. 後ろ身頃ラグランの位置で、後ろ中心線に対して平行に縦地の目を糸で印付けしていく。
28. 身頃ネックポイントの位置で、29の線に対して平行に縦地の目を糸で印付けしていく。
29. 前身頃ラグランの位置で、30の線に対して平行に縦地の目を糸で印付けしていく。
裏衿の横地の目を取る(赤糸)
30. 後ろ中心線に対して直角に、横地の目線を前端まで糸で印付けしていく。
すべての糸の長さを計測して、線を引いていく。
まとめ
既製服からそっくりそのままの型を取るということは、それほど難しくはありません。
ただし図面を引くときは、必ずY軸とX軸がありますので、むやみに糸で印をつけるというわけではありませんので、きっちり出来上がり数値を出しましょう。
洋服では、必ず基準になる後ろ中心線と前中心のY軸、バストラインのX軸は、最も重要な基準線の軸になります。
そこから新しい線が、次から次と正確な数値の形状(型)が出てきますので、現物と全く変わらないシルエットの型紙ができてきます。
なので現物をほどかないで、商品と全く変わらない型を、抜くことができます。
これらを繰り返しやっていくと、自然にその洋服の型紙ができていくでしょう。
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