現在、日本の100歳以上の高齢者の人口は6万人を超えています。
私が20歳前後だったでしょうか、今から45年前までは100歳以上の人数は340人くらいと記憶しています。
ではこの長生きの秘訣は何なんでしょう。
ただ単に長生きしたところで、寝たきり状態ではどうでしょうか。
本人も辛いだろうし、まわりも不自由さを感じるでしょうから、決して幸せとはいいがたいものがあるでしょう。
そこで健康の秘訣は食からくるのではないかと思い、100歳以上の元気な長寿高齢者の「健康食卓」を、ちょっとのぞかせていただきました。
目次
毎日の食卓は身体の根源!
健康長寿の秘訣は豊かな食卓から~
『田谷きみさん 101歳』
ここは千葉県東庄町の和菓子店「菓心・あづき庵」です。
息子さんとお孫さん3代で営む店で、営業時間は8時から18時まで開いているそうです。
「食事は三食規則正しく摂るのが一番ですね」とは、現役の元気な101歳の田谷きみさん。
7時に朝ご飯を食べて開店準備をし、お昼は店番を交代して12時ごろ食べ、夕食は店を閉めた後の19時と決めているんだそうですよ。
では田谷きみさんの献立を覗いてみましょう!
朝
白米・味噌汁・アジの開き・トマトと生野菜のサラダ・ぶどう・お新香・梅干し
ポイント:味噌汁に減塩の工夫あり
昼
白米・味噌汁・金目鯛の煮つけ・もずく酢・おから・ぬか漬け・サラダ・りんご・ヤクルト
ポイント:おやつでカルシウム不足を解消
晩
白米・あさりの吸い物・豚の生姜焼き・千切りキャベツ・じゃがいもとニンジンの温野菜・ほうれん草とゴマのおひたし・旧炉とみょうがの漬物・ワイン
田谷さんは食事のほかに楽しみにしているのが、終業後の晩酌だとか。
「ワインを小さなグラスに1杯程度ですが、好物の豆などをつまみにして飲んでいます。飲むと1日が終わったなと、ほっとするんですよ」と笑顔で語る田谷きみさんでした。
『内田 棟さん 100歳』
大正5年生まれの100歳現役最高齢プロゴルファーの内田 棟(むなぎ)さん。
好物は霜降りの牛肉にウナギ、大トロである。
毎日の食事となるとボリューム満点でちょっとびっくりです。
「昼はサーロインステーキ、夜にウナギを食べることもよくあります。濃い味付けが好きで。脂もたっぷりとのってないとダメなんです」と内田さん。
「やや脂質が多めですが、運動量が多いのでスタミナ源になっています。合わせて、野菜やもずく酢など食物繊維を摂ることで脂質代謝が上がり、うまく分解されているのでしょう」とは栄養士さんの言葉。
94歳の時に直腸がんの手術を受けてからは、食事の内容については、医者のアドバイスを受けながら、基本的には好き嫌いはありません、ということでした。
また食べるときに気をつけていることは、特にないということで、好きなものを好きなように食べるのがいいのだそうですよ。
今も年間数十ラウンドこなしており、毎日の食事と合わせて楽しむことも現役100歳プロゴルファーのパワーの源なんでしょうね。
凄いとしか言いようがありませんね。
私も昨年までは85歳まで現役でいたいと宣言しましたが、これを見て100歳に目標を変えました。(笑)
朝
野菜のポタージュ・パン・ラッキョウ・ニンニク・メロン・りんごジュース・クランベリージュース・ヨーグルト・食後のコーヒー
定番の食事を決めておくと、毎日の食欲のバロメーターになります。パンはフレンチトーストにして手間を加えています。
ポイント:毎日のラッキョウとニンニクを摂る
昼
白米・ステーキ・野菜のスープ・ホタテと野菜のカルパッチョサラダ・オレンジを搾ったジュース・コーヒーゼリー
ステーキは赤みが多めで、運動量の多い内田さんにとっては、良質なスタミナ源となっています。サラダに使ったオリーブオイルは便秘予防に!
ポイント:がっつり肉食がスタミナにかわる。
晩
うな重・しじみの味噌汁・高野豆腐と野菜の煮物・トマトサラダ・もずく酢ときゅうりの和え物・手作りの桃ゼリー
うなぎでたんぱく質を補給。酢の物やサラダと副菜がさっぱりしているので、胃もたれすることがなく食べられる。
ポイント:副菜で胃もたれ知らず
『平野政一さん 95歳 としさん 94歳』
静岡県で茶園を営む平野政一さんととしさん夫妻は、90歳を過ぎた今も共に現役で暮らしています。
ご夫妻の朝は、やはりお茶から始まるとか。
「起きぬけにいっぱいお茶を飲むと一日がキリッとします。お茶は体にいい薬になっていますね」とは政一さん。
基本的に食事は、三食ともしっかり食べます。
好き嫌いはありません。
食べ方や栄養にへだたりが出ないよう、副菜はワンプレートにのせるのがポイントです。
そして毎食欠かせないのが、具だくさんの味噌汁で、自家製のじゃがいもやニンジン、大根などの野菜がたっぷり入っています。
とにかくこのご夫婦、政一さんはよく話をし、としさんはいつも笑顔でお互いを気づかい、仲良く暮らしていらっしゃるようです。
このことが健康で長生きのコツかもしれませんね。
ではご夫婦の献立をご紹介します。
朝
白米・大根と豆腐の味噌汁・焼き魚・キャベツとしめじの卵とじ・漬物
畑仕事が多いので、炭水化物を多めに摂取しています。高齢者に不足しがちなタンパク質が豊富な焼き魚や豆腐・卵が一日の活力となります。
ポイント:タンパク質は意識して多めに摂ります。
昼
菜飯・味噌汁・じゃがいものハンバーグ・豆・肉じゃが・なす・玉ねぎと桜エビの天ぷら・畑でとれたきゅうりと大根
コロッケを揚げずにハンバーグにして、余分な脂をカットします。味噌汁を具だくさんにすると、野菜のうまみが出るほか、汁の量も減るので減塩になります。緑黄色野菜を入れるとなお美味しくなります。
ポイント:調理方法でヘルシーになります。
晩
白米・味噌汁・竹輪とコーン入りジャーマンポテト・きゃらぶき・煮豆・漬物
ワンプレートに盛ることで、一人前の量がわかり、過食・小食を防ぐことができます。晩に食べ過ぎず、朝昼と同じ量を食べるため胃への負担を少なくすることができます。
ポイント:朝昼晩、食事量は同じバランスで摂ります。
『後藤 はつのさん 112歳』
明治36年9月1日生まれ。
幼いころは岡倉天心と交流があったという後藤はつのさん。
「昔からからいもの以外、好き嫌いはありません。奥歯でよく噛んで食べるようにしています」と、後藤さん。
健康維持のために、飲み込みやすく、消化の良いものを食べるようにしているが、その中で特に好きなのが鰻だそうです。
「鰻は恒例の方でも食べやすく、栄養価も高い食品です。好きな食べ物を、口から食べ、歯で噛むことができる。これこそ健康の証といえるでしょう。」と栄養士は曰く。
73歳で始めた油絵は、99歳まで毎年100号の絵を描いたそうです。
112歳の現在も訪問の看護師と百人一首をそらんじているとのこと。
いつまでも好奇心を忘れないことも、長寿の秘訣でしょうね。
朝
プリン・エンシュア・H(医療用ドリンク)
食への楽しみは健康への証。プリンはさまざまな商品を試すことで、食事にエンターティメント性を持たせています。
ポイント:食事を何より楽しむこと
昼
鰻・おかゆ・桃の缶詰・エンシュア・H(医療用ドリンク)
鰻とおかゆは喉に詰まりにくい。高齢であっても、口で噛んで食べることで、脳が刺激されます。
ポイント:好物を自分へのご褒美に!
晩
杏仁豆腐・小豆煮・エンシュア・H(医療用ドリンク)
豆類は食物繊維が豊富。糖尿病でなければ、甘くにつけると食べやすい。
ポイント:栄養のある小豆をデザートふうにして食べやすくします。
長生きの秘訣は食事にあり!100歳で元気な人の食卓はコレ~まとめ
この記事を書きながら、すごいなぁーと感嘆せざるを得ませんでした。
理想の人生の過ごし方を淡々と、こなしていらっしゃる姿は超人としか思えません。
ここに掲載される4人の健康長寿に共通するものが、何かがわかりました。
特別なグルメでもない。
だけど素晴らしいグルメなんですよね。
- まず好き嫌いがない。
- 体をよく動かしている。
とにかく生き生きと仕事をこなし、目の前のしなければいけないことを、自分の体で淡々とこなしていく。
これこそ私の理想とする将来像です。
少しでも近づけられるようがんばっていきたいと思う今日この頃でした。